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2009年7月 3日 (金)

ネパール子連れ旅思い出し日記*チョウダリの村

2月13日

暗闇の中、村の中を歩いてゆく。
土の道を歩いているが、
足元も、周りの風景も、何も見えない。
「水牛や、牛や、豚や、山羊がいますよ。」
カンチュウさんが、言う。
何年ぶりかの帰省で、
しかも、珍しいお客さんを連れているので、
ちょっと、興奮気味なのが 伝わってくる。

10分くらい歩いただろうか、
アンビカの実家に着いた。

暗がりの中から、
家族の人たちが、静かに迎え出てくれた。

私たち家族は別として、
カンチュウさんとアンビカの、
久しぶりの帰省だと言うのに、
この静かで おとなしいお出迎えは、何だろう?
いつも、こんな感じなのだろうか?
(もっと大騒ぎしそうなものだけど。)
不思議な雰囲気だった。

物静かなお父さん。
アンビカと同じ、丸顔のかわいい妹たち。
ああ、お母さんが、
やっぱり、丸顔でチャーミング。

アンビカが、
お父さんやお母さんの方へ、歩み寄り、
頭をちょこっと下げると、
髪の生え際あたりに、
相手が、手をちょんとのせる。
これを、色々な人と繰り返していた。
そして、
一言、二言、ぼそぼそと、
静かに、会話していた。

後ろの方から、
いっぱいの、クリクリの黒い瞳が、こちらを見ている。
みんな、好奇心いっぱいの目で、
何か囁きながら、ニコニコしている。

土の家に通される。

みんなが ぞろぞろ連いてくる。

おおっ!
家の中に、身の丈以上もある、
素焼きの壷が いくつも並んでいた。

昔、図鑑で見たことがあったが、
まさか、そんな、秘境のようなところに、
家族揃って はるばるやってくるとは・・・。

壷の中には、穀物がぎっしり入っているらしい。
なんと、豊かなんだろう。
なんと、美しい家なんだろう。
ちょうと、電気が通っている時間だったので、
薄明かりの中で、
その、シンプルな家の中を 見渡すことができた。

ふわふわした、土の床。
やはり土で固められた、小さな竈。
網戸のついた、木製の食料棚。
あとは、壷。壷。壷。

食事が出てきた。
土の上に、ゴザを敷き、
並んで座った。

ネパールでは、
その家の人と、お客さんとが、
同時に「いただきます。」と食べない。
お客さんが食事をするときは、
給仕に徹するのである。

家族の人たちが、固唾を呑んで、
わたしたちを、見守っている。

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予期せぬお客さんだったので、
残りものしかありません・・・と、
質素なダルバートだったけれど、
それは、まさしく家庭の味だった。
まず、ごはんの味が違った。
自家製のお米なのだ。
そして、食堂で食べるダルバートとは、
決定的に、何かが違っていた。

子供たちも、それを感じたのか、
つわり状態だったはずの彼らが、
意外にも、しっかりと、
食べていたので、ほっとした。

この家で、しばらく暮らすのだから。
この家のごはんを食べて、暮らすことになるのだから。

このぶんだと、なんとかやっていけそうだ。

私たちには、
レンガ造りの テレビの置いてある部屋があてがわれた。
お父さんのはからいで、
「あーだ、こーだ」と、言いながら、
家の中にある、一番良いものを、
娘さんたちと、集めてくれて、
心地よい寝床を作ってくれた。

感謝。感謝。

お金を介して泊まる、ゲストハウスではなく、
鍵の無い、普通のお家に泊まっている・・・・ということが、
旅の間、知らず知らずのうちに、身についていた、
緊張感を、緩めてくれたのかも知れない。

その夜は、
いつになく、ぐっすり眠れた。
なんとも言えない、安堵感に包まれて。

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